働き方改革関連法案のうち、時間外労働の上限規制が、施行されたのが2019年4月です。
これが大企業で働く人達に、何をもたらしたか。
大企業で生きる人達にどんな影響があるのかを解説します。
良し悪しの議論ではなく、こうなっている、こうなっていくはず、という話し。
どちらかというと、営業職以外の職種向け。
つまり、成果が数字で現れない仕事。
特に、エンジニア、事務、企画職あたりですね。
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働き方改革で大企業に時間外労働規制が導入
正確に説明すると分かりにくいので、超簡単に言うと。
- ① 原則、ひと月あたりの残業時間、45時間以内
- ② ひと月あたりは、80時間以内
- ③ 45時間を超える月は、年間6回まで
※①が無理でも、②③は厳守
で、法定労働時間である1日8時間が基準になります。
つまり、1日7.5時間勤務の会社は、毎日30分残業しても、
残業ゼロとみなされます。
なお、「労使が合意する場合」であっても駄目なので、
働きたいと思っても無理です。
まあ、これは本題ではないので、このくらいにして・・・
働き方改革で大企業に起きている実態①:監視社会の確立
働きものの評価が下がる
原則、月45時間を超えてはいけない。
でも超える時はある。
原則をやぶる時に大企業で必要なものとは。。
そうです「申請」です。そしてもちろん、紙の申請書です。
これに、本人や上司である部長や課長が押印して、
人事部に提出します。
そして、事前申請です。
日々の残業申請でもそうですが、原則事前です。
従って、大企業では月末に近づくにつれて、
こんな光景が多く見られるように。。
「お~い!〇〇くん、今月は45時間申請どうする?念のため出しておく?」
これで、めでたくまた一つ、
管理職の日々の日課が追加されました。
そうです。残業が45時間を超えそうな部下のモニタリング。
監視活動。
なんか、メンバー別/日別のグラフを作り始める
部長まで現れる始末・・・
そして、そんな危なっかしい部下は、上にどう思われるか。
そうです。とってもめんどくさい存在に、、
そして評価にも必然と・・・
監視が強化される
で、なんとか隠れて残業する手段はないのか。
ありません。
実は隠れてみんな残業してんじゃないの?
できません。
- ビルの入退館時刻
- 執務エリアの入退室時刻
- PCの起動・停止時刻
これら全てが電子的に記録されていて、
勤務時間と相違がないかチェックされます。
で、相違がある場合、まあ30分以上の乖離ですね。
はい!また申請書です。
特に多いのはPCのシャットダウン忘れ。
これによる申請が多発します。
この件数が部署毎にカウントされて、
部課長の評価に反映されます。
PCよく切り忘れる人は評価が下がるのは、、
言うまでもありません・・・
働き方改革で大企業に起きている実態②:年功序列の完全定着
仕事量・経験で差をつけることができない
わたしが大企業SEと企画職でしたので、
この職種中心での経験を元に話します。
恐らく、数字で成果が出る営業職やトレーダーなどには
当てはまらないでしょう。
まあ、SEや企画職なんて、もともと。
- 新人が3年目に追いつく
- 3年目が6年目に追いつく
- 6年目が10年目に追いつく
なんて無理なんですよ。
経験がものをいう世界。それが全ての世界。
特に大企業では、「スキルの階段」を登り、
さらに「業務の幅」を広げることが必要。
SEを例にとるとこんな感じです。
<スキルの階段>
- プログラマー
- 設計者
- チームリーダー
- プロジェクトマネージャー
<業務の幅>
- 製造業務
- 流通業務
- 販売業務
- マーケティング業務 など…
これらをある程度経験し、
15年くらいで、課長になれれば全然いい方。
で、さきほどの例で言うと。
確かに、新人は3年目には追いつけない。
でも、2年目で3年目に追いつくことはなんとかできる。
ただ、そう、圧倒的に量=経験をこなさないと無理。
効率化とか生産性向上なんて、たかがしれてる。
特に若いうちは。
なので、残業、休日出社で量をこなす必要がある。
わたしが若い時はそれをやってきた。
でもこれからの時代はそれができなくなる。
年間の経験量は、各社員でほぼ固定される。
つまり、成長=出世のスピードも同期でほぼ横並びに。
そう、これまで以上にがっちりと力強く、
年功序列が定着することになるでしょう。
本業の収入アップと出世を諦める~負の連鎖~
このように本業への時間=努力の投入が限定され
その見返りとしての収入が増えなくても
それでもやはり、誰もが収入が増えることを望みます。
そこで、もう一つ、こんなことが起こります。
というか、すでに起こり始めていますよね。
必ず、本業以外に収入を求めます。
そう、副業です。
そして、副業で一定の収入を得た人が何を思うか。
さらには、収入を増やす結果を得られた人が何を思うか。
当然、本業に割く時間を減らして、
副業の時間を増やしたり、きっちり安定させたりします。
さらに恐らく、副業で収入を得ることができるのは、
仕事ができる人です。
そんな人達が、ますます本業での出世を諦める。
副業を本業に変える人も出てくるでしょう。
会社にとっては、まさに「負の連鎖」。
- 仕事ができる若手は、副業に注力し
- できない若手は、本業だけをやる気なくこなし
- それをおじさん達が管理する
そんな時代が訪れるかもしれません。
さあ、あなたはどちらを選びますか。
- 「できる若者」
- 「できない若者」
副業さえ禁止されている人は、選びようがないのですが…
では、以上となります。
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