SEの上流工程の仕事って?システム開発は要件定義が明暗を分ける!

SEの上流工程の仕事って?システム開発は要件定義が明暗を分ける!SE
こんな人に こんなことを!
  • SEの上流工程の仕事に興味がある人へ!
  • 駆け出しSE、就活生、転職希望者向け!
  • システム開発の、上流工程と要件定義の重要性を理解しよう!
駆け出しSE
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開発中心にこなしてきて3年目。

そろそろ…

  • 上流工程を経験したい!
  • 要件定義をしてみたい!

どんなことするのか教えて下さい。

システム開発に、失敗したくないので…

抑えるべきポイントを!

金融SE歴12年。

それ以外の5年間も証券会社本体にいて…

ユーザーとして上流工程に関わりました。

今回は、長年やってきた…

上流工程、要件定義を徹底解説します!

長文なので、前置きはこれくらいで早速開始!

【関連記事】社内SEへの就職対策完全ナビです。

【関連記事】SEのキャリアプラン策定ガイドです。

  1. SEの仕事の「上流工程」とは?【下流工程との違い】
  2. システム開発は上流工程・要件定義がなぜ大事?
    1. 上流工程をビル建設に例えると…
    2. 上流工程・要件定義をミスると最悪の事態に…
  3. 上流工程・要件定義は、誰が主体で進める?SEの役割は?
  4. SEとユーザーは、上流工程・要件定義で、何を決める?
    1. 上流工程で決めること1:システムを作る目的
    2. 上流工程で決めること2:システムに求めること
    3. 上流工程で決めること3:システムを使う人
    4. 上流工程で決めること4:システムをいつから使うか
    5. 上流工程で決めること5:システムを作る効果
  5. SEは、上流工程・要件定義で、何を作る?【成果物】
    1. 要件定義の成果物①:要件定義書
    2. 要件定義の成果物②:新旧業務フロー対比図
    3. 要件定義の成果物③:投資対効果評価シート
  6. 上流工程・要件定義で必要なSEのスキルは?
    1. 必要なスキル①「業務知識」:ユーザーとの意思疎通に必要
    2. 必要なスキル②「提案スキル」:技術・業務両方での提案
    3. 必要なスキル③「ドキュメンテーションスキル」:ユーザーが分かる言葉で
  7. 上流工程・要件定義ができる会社は?
    1. 間違いなくできる会社:社内SE、ユーザー系SIer
    2. チャンスがある会社:メーカー系SIer、コンサル系
    3. 難しい会社:独立系SIer、その子会社、ソフトウェア開発会社
  8. まとめ:SEの上流工程・要件定義の仕事について

SEの仕事の「上流工程」とは?【下流工程との違い】

SEの仕事の「上流工程」とは?【下流工程との違い】

システム開発プロジェクトは、このような流れで進める。

大きく「上流工程」「下流工程」の2つに分けて。

基本的には上から順番に。

<上流工程>

  • ①要件定義
  • ②プロジェクト計画
  • ③設計

<下流工程>

  • ④開発
  • ⑤テスト
  • ⑥納品

この①~⑥の1つずつを「工程」と呼ぶ。

簡単に言うと違いはこう。

  • 「上流工程」:何を作るのかを決める工程
  • 「下流工程」:上流工程で決めたものを、作る工程

プロジェクト全体の期間は短くて2月。

長いと1年以上、2、3年になることも。

「工程」は、会社によって呼び方、分け方が微妙に違う。

でも、上の呼び方で通じないことはない…

【関連記事】この記事は上流工程、要件定義の解説が中心。そもそも、各工程の仕事内容を知りたい方、こちらの記事からどうぞ!

駆け出しSE
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ごめん!

知ってる!

ごめん!

じゃあ、本題に入ろう!

システム開発は上流工程・要件定義がなぜ大事?

システム開発は上流工程・要件定義がなぜ大事?

上流工程をビル建設に例えると…

  • 上流工程は、大規模ビルの構想・設計と同じ
  • 要件定義は、ビルを何に使うか、マーケティング戦略と同じ

大規模開発ほど、上流工程が重要になる。

ここでミスがあると…

何億、何十億というお金が無駄に

システム開発の仕事の解説は、度々…

「ビルの建設」が持ち出されます。

今回はそれにならって説明!

上流工程の最初の「要件定義」には…

これらが全て詰まっている!

  • 完成外観図の作成
  • 立地や集客戦略の策定
  • オフィスビルにするか
  • 賃貸マンションにするか
  • 商業施設にするか
  • 賃貸料やテナント料の設定
  • 入居者、企業への事前営業
  • 収益計画の策定
  • 建設コストの回収計画の策定

失敗したらどうなるか、1つでも忘れたらどうなるか。

容易に想像できるはず・・・

駆け出しSE
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確かに・・・!

オフィスビルの建設を頼まれたのに…

賃貸マンション作っちゃったら、どえらいことに!

でも、、結構、普通にある!

要件定義は、建設業界に例えると…

不動産デベロッパーの仕事

三菱地所とか三井不動産。

建物自体の建築計画も、もちろんだけど…

都市計画=会社全体の戦略策定の要素を含んでいる

もう十分かもしれないけど。。

さらに、その次の上流工程…

  • 「プロジェクト計画」
  • 「設計」

同じく、ビル建設を例に挙げると・・・

<プロジェクト計画>

  • 発注建設業者の選定
  • 資材の調達計画の策定
  • 全体コスト計画の策定
  • 建設詳細スケジュールの策定

<設計>

  • 地盤設計、配管設計
  • デザイン設計
  • 耐震対策
  • 各フロア、各部屋の見取り図作成
  • 建設設計図の作成

建設業界に例えると、上流工程の「プロジェクト計画」は…

大手ゼネコンの仕事。

上流工程の「設計」は、その子会社…

下請け建設会社の仕事。

上流工程・要件定義をミスると最悪の事態に…

上流工程・要件定義をミスると最悪の事態に…

上流工程で決めるべきことを決めないで…

建築作業に入ったらどうなるか

  • 下流工程で、致命的な問題が見つかると、上流工程をやり直すことに
  • 最悪、開発中断も大いにあり得る

初めに説明した開発の工程は、①から⑥まで、順番に進む。

あくまで、前の工程に大きな問題がなければ。

でも、作っている最中に前の工程のミスが発覚…

システム開発では必ずあること

忘れっぽい、あなたのためにおさらい!

<上流工程>

  • ①要件定義
  • ②プロジェクト計画
  • ③設計

<下流工程>

  • ④開発
  • ⑤テスト
  • ⑥納品
駆け出しSE
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いや、だから…

知ってるってば!

「⑤テスト」で「④開発」のミスを見つける…

まだ全然まし!

最悪なのは、「⑤テスト」「⑥納品」の工程で…

上流工程の致命的な問題が発覚!

工程を戻ってやり直しになることも。

作ったものの全部、一部が無駄になることも。

一部の機能の「③設計」に問題がある場合も…

まだ全然まし!

そこだけやり直して、ユーザーと点検すればいい。

最悪なのが、上流工程…

「①要件定義」に致命的なミスがあった場合…

特にユーザーとの認識相違!

例えば、「⑤テスト」の段階で…

数か月振りにユーザーに加わってもらう。

そこで、こんなことを言われた場合…

「え??これ10Fまで全部オフィスフロアじゃん。1Fには飲食店を入れる予定なんだけど・・・」

まあ、ビル建設ではこんなことあり得ないけど。

実際に建物を作るし、各段階で施工主のチェックを受けるから。

でも、システム開発では全然ある。

プログラムというユーザーに見えないものを作るから。

最終段階で、目に見えるものができて…

初めて見てもらう

そこで…

「え・・・!あれがないんだけど」

ってことが、普通にある。

あと、要件定義は、一部ミスするだけならまし…

必要なことをやらない場合がある

大規模開発で全くやらないことはないけど…

一部漏れることが

では次に、要件定義で決めることを説明します。

駆け出しSE
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お願い…

というか建設業界の例えばっかりで、、

わたしがSEってこと、、忘れかけてたわ!

SEの仕事の実例でお願い!

上流工程・要件定義は、誰が主体で進める?SEの役割は?

上流工程・要件定義は、誰が主体で進める?SEの役割は?

では、ここからは…

SEの上流工程の仕事を実例満載でお届けします。

一言でいうと、これを決める仕事!

  • 構築するシステムに求めること
  • 構築するシステムで実現すること

あまり、イメージわかないはず。。

駆け出しSE
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あまり、、というか全く!わかない!

この3つを教えて!

いい?よく聞いてね?

  • 疑問①:誰が主体で進めるの?
  • 疑問②:なにを決めるの?
  • 疑問③:なにを作るの?


はい!!!!(涙)

その3つに答えます。。

まずは、1つ目!

上流工程・要件定義は…

  • ユーザー、お客さまと、SEが、協働で進める
  • 対等な関係を築き、半分ずつ分担できればベスト!

一般的に、上流工程、特に「要件定義」の主体は…

ユーザーと言われている

システムに何を求めるかは…

作る人じゃなくて、使う人が決めること

でもあくまで、これは…

システム開発プロジェクト

ユーザーには、分からないことだらけ…

  • 何をどうやって決めればいいか
  • どんな資料にまとめればいいか
  • システムにどこまでできるのか

決めることが多すぎる。。

やっぱり、そこは…

SEが主導して決めていく!

駆け出しSE
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SEの腕の見せ所だね…

やる気が出てきた!

SEとユーザーは、上流工程・要件定義で、何を決める?

駆け出しSE
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じゃあ、2つ目!

わたしたちSEが主導して…

何を決めるのか教えて!

この5つを決める!ユーザーと合意する。

  1. システムを作る目的
  2. システムに求めること
  3. システムを使う人
  4. システムをいつから使うか
  5. システムを作る効果

それぞれ、具体的な内容を…

もう一段だけ、掘り下げていきます!

以下のポイントを漏れなく、網羅的に…

ユーザーと合意することが重要!

上流工程で決めること1:システムを作る目的

実例を挙げると、こんな目的がある…

<収益を拡大したい>

  • 新商品を販売したい
  • 新サービスを開始したい

<コストを削減したい>

  • 人件費を削減したい
  • 印刷費、郵送費削減したい

<リスクを低減したい>

  • オペレーションリスク?
  • セキュリティリスク?

<制度・法律を守らないといけない>

  • 社内の制度?
  • 国が定める制度・法律?

SEが、気を付けないといけないことは…

  • 最初に決めたら、ブレちゃいけない(目的を追加するのもよくない)
  • 目的が複数あるのは構わない(国の制度を利用して売り上げも高める)
  • なるべく数値化する(売上件数、金額)
  • 根拠となる制度や法律を明示する

上流工程で決めること2:システムに求めること

実例を挙げると、こんなことがシステムに求められる…

<対象とする業務、変える業務>

  • 廃止する業務、新しく行いたい業務
  • 改善したい業務、廃止したい紙
  • 変えない業務も明確に

<インプットしたいこと>

  • 画面で入力したい
  • ファイルで一括アップロードしたい

<アウトプットしたいこと>

  • 画面で見たい
  • Excelで操作したい
  • PDFで保管したい

<自動化したいこと>

  • データ登録
  • 計算
  • 抽出
  • マッチング…

<利用したい環境>

  • WEB
  • モバイル
  • タブレット…

SEが、気を付けないといけないことは…

  • ユーザーから最初に要件を、広く聞き出すのは構わない
  • ただ、全ての要望を実現することはできない
  • それぞれの要望の概算見積りを実施する
  • 概算予算をユーザーに提示する
  • 全体予算に応じて、取り込むものをユーザーと調整して決める

上流工程で決めること3:システムを使う人

システムを使う人と、おおよその人数を決める…

<社内の人間>

  • 特定の部署?
  • 全社員?
  • 人数は?頻度は?

<社外の人間>

  • 外部のお客さま
  • 限られた取引先のみ?
  • 広く個人にも開放?
  • 最大利用者数、利用頻度は?

※当然社内外、両方の場合もある

SEが、気を付けないといけないことは…

  • 社内/外のどちらかで、ネットワーク、セキュリティ要件が大きく変わる
  • 利用人数・頻度で、ネットワークやサーバー(メモリ)の要件が変わる
  • 混雑時、一時的に、利用できなくていいか、絶対にダメか、ユーザーと決める
  • 極力止めたくない場合、ハードウェアのスペックに十分な予算を投じる

上流工程で決めること4:システムをいつから使うか

実例を挙げると、いつからシステムを使いたいかは、大きく3種類…

<時期が明確に定まっている>

  • お客さまに広告・宣伝済
  • 制度・法律の施行日が決まってる(例:消費税)

<絶対的な期限はないが急いでいる>

  • 同業他社がサービス開始済
  • 毎年多額のコストが発生している
  • リスクが顕在化して事故が発生

<正直いつでもいい>

  • できればやりたい
  • いつかやりたい

SEが、気を付けないといけないことは…

  • 時期が明確に決まっているものは、さらに2つに分かれる
  • A:最悪、期限を延長できる、B:絶対にできない
  • Aは、ユーザーに手段の検討だけはしてもらう(例:お客さまへのサービス開始延期の謝罪)
  • Bは、システムの開発期間に余裕を持たせる。開発範囲の限定を検討。
  • 必要最低限のシステムにして、ユーザーの作業で補ってもらう…

上流工程で決めること5:システムを作る効果

実例を挙げると、システムには、こんな効果が求められる…

<見込める収益>

  • 月間、何件の販売・成約を見込める?
  • 年間、いくらの収益になる?

<見込めるコスト削減>

  • 月間、何人、何時間の削減を見込む?
  • 何件の印刷費・郵便費を削減できる?
  • 年間、いくらのコストが削減できる?

<見込めるリスク削減>

  • 月間、何件の事故を防止できる?
  • 年間、想定される防止被害額は?

SEが、気を付けないといけないことは…

  • システム投資額を何年で回収できるか、ユーザーに提示すること
  • 例えば、システム投資に3億円かかる。年間1億円の収益増加が見込める。
  • これなら、3年で投資回収ができることになる。
  • 基本的に、3年がギリギリのライン。5年以上の場合、事業や企業が存続しているかも危うい…
  • 投資が割に合わない場合は、システム開発をしない。
  • あるいは、コストを抑える案を提示するのも、SEの役割!
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自分たちの利益になるからって…

なんでもかんでも、開発すればいいわけじゃないんだね!

そう!

システム開発のプロとして…

業務・システムの両面から、お客さまにとって、ベストな提案をすべき!

それが、長期的で良好な関係につながる!

SEは、上流工程・要件定義で、何を作る?【成果物】

SEは、上流工程・要件定義で、何を作る?【成果物】

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じゃあ3つ目!

何を作るのか…

いわゆる、成果物について、教えて!

そうですね!

ここまで決めてきたことを…

成果物つまり、資料に残すことが大事!

口頭での合意は、お互いの記憶にすぎない…

何も形に残っていない、成果はゼロ

そうならないように…

主に、これらの資料を作成します!

  • ①要件定義書
  • ②新旧業務フロー対比図
  • ③投資対効果評価シート

要件定義書に全て纏めてもいい。

わたしの場合は、少し性質が異なるので…

2つを別出しにしてた。

要件定義書の別紙にしてもOK!

1つずつ解説します。

要件定義の成果物①:要件定義書

これまで説明した決めるべきこと、決まったことを…

全て文章に纏める

基本的にはSEが主導して。

一番の目的は…

ユーザーとの認識相違を防ぐこと!

SEが書いた場合でも、これらは必須!

  • ユーザーに時間をとってもらい
  • 直接説明して(最終的には対面で)
  • 合意結果と修正過程を記録に残す

ユーザの意思が色濃く出るところは、直接書いてもらうのもあり。

ただ、注意しないといけないのは…

ユーザーのドキュメント力とシステム知識

これを見定めて判断すること。

文章を書く経験が、ほとんどないユーザーもいる。

普通に、こんなことが起こる…

  • 書き間違えることがある
  • 正確に書けないこともある
  • システム用語を誤って使うことがある

あとで、もめごとになって、ユーザーに責任を追及しても…

いいことなんて1つもない

それなら、ヒアリングして…SEが書くべき!

要件定義の成果物②:新旧業務フロー対比図

図が中心になるので、要件定義書とは分けていた。

資料の媒体、わたしはExcelを選択。

このようなことをフロー図に整理。

現状とシステム導入後を、対比させる形で…

<業務の登場人物>

  • 社内の部署
  • 社外の取引先
  • お客さま
  • システム

<業務のイベントフロー>

  1. 「予約」
  2. 「成約」
  3. 「配送」
  4. 「精算」

明記すべきポイントは…

システム導入の前後でどこがどう変わるか

さらにユーザーから引出した要件は…

強調して明記!

新旧業務フロー図は、設計段階で作成することもある。

でも、この段階で…

概要レベルでもいいので、整理すべき!

業務全体を整理する過程で…

ユーザから要件が引き出せるから

要件定義の成果物③:投資対効果評価シート

これは、ユーザー主体で作ってもらう必要がある。

できれば独力で。。

例えば、システムを導入する効果が「収益拡大」の場合。

こんなことを整理してもらう…

  • 新サービス・商品のコンセプト
  • 潜在需要がある根拠
  • 売上見込み、具体的な数値目標
  • 売上見込みの計算根拠

逆に…

SEが勝手に作ることはできない

ドラフトレベルやメモレベルで、ユーザに書いてもらい…

SEが清書して、ブラッシュアップしていくのはあり!

上流工程・要件定義で必要なSEのスキルは?

上流工程・要件定義で必要なSEのスキルは?
駆け出しSE
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上流工程・要件定義における…

  • SEの役割
  • 決めること
  • 作るもの

だいたい分かりました!

で、、上流工程を担当するのに、必要なスキルは?

わたしは、何ができるようになればいい?

この3つの知識とスキルを身につけよう!

  • 業務知識:ユーザーとの意思疎通に必要
  • 提案スキル:技術・業務両方での提案
  • ドキュメンテーションスキル:ユーザーが分かる言葉で

要件定義特有の要素がある。

1つずつ簡単に説明します。

必要なスキル①「業務知識」:ユーザーとの意思疎通に必要

上流工程と、要件定義は…

ユーザーの考えを引出す必要がある

最低限…

ユーザーと会話ができる業務知識が必要。

ユーザが基本的な専門用語、業務用語を使う度に…

「その意味教えて下さい」

って聞いてたら。

当たり前だけど…

  • 素人だと思われる
  • ウザがられる
  • 信頼されない
  • 良好な関係は築けない

上流工程では、SEとユーザーは…

業務フローを共に組み立てて
見直す必要がある

基本的な流れや用語も知らずに…

できるわけがない

ただし、当然業務に一番詳しいのはユーザー。

時に分からないことを質問するのは全然あり。

逆に、知らないことを知らないままにしておくと…

のちのち、大きな認識相違
トラブルに発展する

必要なスキル②「提案スキル」:技術・業務両方での提案

まずは技術的な提案。

これがSEの醍醐味…

ユーザには絶対出せないアイデアがある

それができるために、SEは…

幅広い技術の選択肢を持っておく

ユーザーは、SEに、こう言われた時。

「それはシステムでは無理ですね」

あなたをプロと認めていれば、諦める。

単なるSEの無知により、ビジネスチャンスを失ったかもしれない。

もちろん、こんな提案も大事…

「それなら、もっとお金をかけて、こうすればできます!」

でも同じくらい大事なのが。。

「できますが、コストがかかりすぎるので、こうしませんか?」

あるいは、

「今回はシステム化せずに、Excelでやりませんか?」

と言える勇気も大事!

SEが、第1に考えることは…

  • ユーザーの利益
  • ユーザーが損をしないこと

必要なスキル③「ドキュメンテーションスキル」:ユーザーが分かる言葉で

SEにとって、重要なスキルとよく言われる。

でも、他の工程で求められるのと少し違う。

要件定義で、作成するドキュメントは…

ユーザーと合意できないと意味がない!
ユーザーが理解できないと意味がない!

設計書は…

開発者が理解できる専門用語を使えばいい。

プログラミングを間違えないよう…

正確に詳しく書けばいい

でも、要件定義書は違う。

ユーザーが理解できる言葉で書かないといけない。

システム専門用語はなるべく排除

そして…

細かすぎても、長すぎてもダメ

後からこう言われる…

  • 「あんな長文、全部読めないよ」
  • 「細かすぎるから、斜め読みしただけ・・・」

バランスが大事。

上流工程以降に、追加要望は…

残念ながら、必ず発生する

上流工程では…

根幹となる部分の合意
あとで認識相違にならないことが大事

細かい部分は、多少の割り切りが必要。

上流工程・要件定義ができる会社は?

駆け出しSE
駆け出しSE

必要なスキルも分かった!

で、わたしの会社で経験できるんでしょうか…

じゃあ、どんな会社にいけば…

上流工程・要件定義の仕事ができるかを最後に!

  • 間違いなくできる会社:社内SE、ユーザー系SIer
  • チャンスがある会社:メーカー系SIer、コンサル系
  • 難しい会社:独立系SIer、その子会社、ソフトウェア開発会社

簡単に解説しますが、その前に…

【関連記事】IT業界の構造と業種の違いを理解しましょう!20年以上変わっていません…この2つの記事で詳しく解説しています!

間違いなくできる会社:社内SE、ユーザー系SIer

ただし、小さい会社の社内SEは、注意が必要…

  • 運用中心の場合がある
  • 問い合わせ対応、ヘルプデスクになってる場合も
  • システムというより、ツールの開発かも…

ツール開発の場合、この記事に書いたことを…

初めに全部決める必要がない

一方で、わたしがそうでしたが…

大企業の社内SE、システム子会社(ユーザー系SIer)は…

間違いなく、上流工程・要件定義を経験できる

大企業の複雑な業務、規模が大きいシステムの…

専門部署、専門システム会社だから

チャンスがある会社:メーカー系SIer、コンサル系

どちらも…

  • 規模が大きい会社
  • 独立した営業部門がある
  • 自社でハードウェアやシステムコンサルのノウハウを持っている
  • 開発者の動員力がある

大企業からプロジェクトを単独受注するケースもある。

でも、大企業の場合は、必ず、システム部が存在!

システム部員の指示のもとで活動する立場…

主導権は握れないことが多い

難しい会社:独立系SIer、その子会社、ソフトウェア開発会社

2次請け、3次請けになることが多いので難しい。

小いさい会社から案件を単独受注することはある。

でもその場合、この記事に書いたような…

網羅的な要件定義は、必要ない

大規模システム開発の上流工程、要件定義を経験したければ…

転職を含めたキャリアアップを検討すべき

あと、当然…

フリーランスも難しい

飲食店のWEBサイトを単独受注することはあるかも…

でも、この記事で解説したような…

高度な要件定義は必要ない

駆け出しSE
駆け出しSE

わたしは、独立系SIer…

転職も視野に入れた、キャリアプランの検討が必要みたい。

では、、こちらの記事をどうぞ!

【関連記事】社内SEへの就職対策完全ナビです。

【関連記事】SEのキャリアプラン策定ガイドです。

まとめ:SEの上流工程・要件定義の仕事について

では、以上となります。

長文記事でしたが、最後までお読み頂き…

本当にありがとうございました!

最後に、関連記事を含めた、まとめと振り返りになります。

<システム開発の上流工程>

  • ①要件定義
  • ②プロジェクト計画
  • ③設計

<システム開発の下流工程>

  • ④開発
  • ⑤テスト
  • ⑥納品

【関連記事】各工程の仕事内容を詳しく知りたい方、こちらの記事をどうぞ!

<要件定義をビル建設に例えると…>

これらが全て詰まっている!

  • 完成外観図の作成
  • 立地や集客戦略の策定
  • オフィスビルにするか
  • 賃貸マンションにするか
  • 商業施設にするか
  • 賃貸料やテナント料の設定
  • 入居者、企業への事前営業
  • 収益計画の策定
  • 建設コストの回収計画の策定

<上流工程・要件定義は、誰が主体で進める?>

  • ユーザー、お客さまと、SEが、協働で進める
  • 対等な関係を築き、半分ずつ分担できればベスト!

<上流工程・要件定義は、何を決める?>

  1. システムを作る目的
  2. システムに求めること
  3. システムを使う人
  4. システムをいつから使うか
  5. システムを作る効果

<上流工程・要件定義は、何を作る?>

  • ①要件定義書
  • ②新旧業務フロー対比図
  • ③投資対効果評価シート

<上流工程・要件定義で必要なSEのスキル>

  • 業務知識:ユーザーとの意思疎通に必要
  • 提案スキル:技術・業務両方での提案
  • ドキュメンテーションスキル:ユーザーが分かる言葉で

<上流工程・要件定義ができる会社は?>

  • 間違いなくできる会社:社内SE、ユーザー系SIer
  • チャンスがある会社:メーカー系SIer、コンサル系
  • 難しい会社:独立系SIer、その子会社、ソフトウェア開発会社

【関連記事】IT業界の構造と業種の違いを理解しましょう!20年以上変わっていません…この2つの記事で詳しく解説しています!

以上となります!

いつか、あたなが、SEの醍醐味である…

上流工程・要件定義を担当することを願っています

そして、ユーザー、お客さまを満足させて下さい!

プロジェクトを成功させて下さい!

駆け出しSE
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頑張ります!

よっしゃーーー、やるぞーーー!

他にもSEのスキルやキャリアに関する記事。

いくつか揃えてますので、よろしければどうぞ!

>顧客常駐はもう嫌だ!社内SEへ転職するなら【社内SE転職ナビ】



【関連記事】社内SE転職ナビの評判と口コミを解説しています。

【関連ガイド記事】社内SEの就職対策ガイド記事です。

【↑本ガイド記事の概要と掲載記事一覧↓】

<社内SEの仕事内容>

  • 3つの仕事内容【開発・企画・運用】
  • 3つの仕事内容をさらに深堀り
  • どの仕事をするかは会社によって違う
社内SEの3つの仕事内容をさらに深堀り(開発・企画・運用管理)

<社内SEは業界内の最上位ポジション>

IT業界の多重下請け構造【全体像を図解】

【解説記事】IT業界の全体構造と、揺るがない理由を解説しています。

【解説記事】IT業界の各業態の仕事内容を解説しています。

<社内SEの役割:ユーザーとPGとの分担>

【解説記事】各工程の詳しい仕事内容と誰が何をやるかを解説しています。

<社内SEのメリット・デメリット>

【解説記事】社内SEのメリットとデメリットを解説しています。

<社内SEに向いていない人:やめとけ!>

  • 開発手法はウォーターフォールのみ
  • 審査に追われて無駄な資料を大量に
  • 開発言語はレガシー系のみ~CとJava~
  • 企画から開発完了まで最低2年
  • 営業・ビジネス・経営感覚はつかない

【解説記事】大企業の社内SEの実態を解説しています。

<社内SEに必要なスキルとキャリアプラン>

  • 上流工程、要件定義のスキルが必要【本記事で解説済】
  • マネジメントスキルが必要
  • わたしが実際に歩んだキャリア
  • 管理職になるとこうなっちゃう…

【解説記事】PMに必要なスキルと考え方を解説しています。

【解説記事】わたしがPMになるまでに実際に歩んだキャリアを解説しています。

【解説記事】社内SEの管理職になったわたしの体験談を解説しています。

<社内SEになるための就職対策!>

  • 社内SEに限らず絶対に必要なこと
  • 社内SEへの就活に勝てる志望動機

【解説記事】落とされないための自己PRの具体事例を解説しています。

【解説記事】社内SEの効果的な志望動機の作り方と具体例を解説しています。

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