投資に興味があるので債券とはなにか勉強したい。
でも金融の知識は全くないので、わかりやすく教えて。
では、証券会社で勤務経験があるわたしが。
債券とはなにかをわかりやすく解説します!
こんな記事構成になっています。
- 前半:そもそも債券とはなにか
- 後半:株式との違いについて
ちなみに、儲け方とか投資手法に関するはなしではありません。
純粋に勉強したい人向けに、仕組みの話しをします。
これを読めば、債券、会社、経済への理解が深まる!
債券投資を始めたい人も、必読!!
【関連記事】株式と投資信託を先に勉強したい方は、こちらの記事からどうぞ!
債券とはなにか…わかりやすく解説すると
「債券」とは…一言でいうと「借金の契約書」
債券とは…
お金を「借りたい人」と「貸したい人」を結ぶ契約書
もっと簡単にいうと…
「借金」の「契約書」
借金ってよくないことじゃ…あとお金を貸すのも
返ってくるか分からない。。
では、普通にお金を貸し借りするのとは何が違うか。
その「契約書」には…
国や法律が認める「金融制度」のお墨付きがある
信用力があるとも言える。
お金を「借りた人」「貸した人」の間で、こんなことが約束される。
<お金を借りた人>
- 基本的に必ず返す
- 利子を払う
<お金を貸した人>
- 基本的に必ず返してもらう
- 利子を受け取る
債券という「証明書」にこれらが書かれてる。
普通の借金だと…
約束が破られると裁判で争うことに
でも「債券」は…
誕生した瞬間に法律で固く守られてる
貸した人が、本当に返せなくなる場合を除いて。
ただし、近年、国内でそのような事例はない。
で、証明書といっても紙があるわけじゃない。
電子化されてる。株式と同じ。
借りる立場から見た場合~いま必要なお金を手に入れる手段~
「発行体」は「債券」を使ってお金を借りる人。
なので、人という表現はいまいちかな。。
「債券」は、国や企業しか発行できない。
個人は発行できない
信用力がないから。
「債券」という金融制度を使って広くお金を借りることはできない。
個人は、銀行や消費者金融から借りるしかない
いまだとクラウドファンディングも。。
国や企業が「債券」という手段でお金を借りるのはなぜか。
「いまお金を使いたい」から
こんな理由で。
- いまお金がなくて困っている
- いまお金があれば増やせる
それぞれ代表例を挙げると。
1つ目は、日本国政府が発行する国債。
年金や社会保障の財政不足で、お金を借りている。
「いま」をなんとかしのいでいる状態
2つ目が、ソフトバンクの孫さんが発行する社債。
数千億調達して、買収や新事業へ投資している。
「いま」あれば、増やす自信がある
貸す立場から見た場合~いま使う必要がないお金を増やす手段~
次は、「債券」を買う人の目線。
つまり「投資家」
これも人と言ってるけど、企業が買う場合も。
というか、銀行や保険会社は、ほとんど債券で運用。
なぜ、お金を貸すのか。
人対人であれば人間関係もあるけど、国や会社にお金を貸す理由は。
相手に万が一の事態が起こった場合、返ってこないんだよね。。
そう。なので、返せる相手か見極めてお金を貸す。
さらに…
「いま使う必要がないお金」を貸す
こんな条件を満たす場合に…
- 貯金しておくより利子の分だけ得したい
- 株式投資のように損するリスクは一切とりたくない
債券の利子の決まり方【基準は預金金利】
利子は、お金を借りる人、国や企業が決める。
利子は、〇〇円ではなくて、〇〇%で表す。
これが「利率」。
銀行預金と同じ。
貸した金額に対して、年間で、何パーセント利子が受け取れるか。
じゃあ、借りる側方は、なるべく低くした方がいいね。。
支払う利子が少なくなるもんね・・・
でも、それだと…
貸してくれる人がいない
そこで、基準になるのが、銀行預金の金利。
「銀行預金より得」じゃなきゃ誰も貸してくれない。
いま、銀行の定期預金は、0.00X%!!
これよりは、高くないといけないから。
個人向け国債の利率は、0.05%
で、国が破綻するより、企業が破綻する可能性の方が高いから…
社債は、それより、高くないといけない
だから、ソフトバンク社債の利率は、1%以上です。
こちら、ご参考まで。。
- 個人向け国債の利率(財務省HP)
- ソフトバンク社債の利率(ソフトバンクグループHP)
債券と株式の違いとは…8つの違いを解説
この章では、債券の特徴を株式と比較して説明。
なんですが・・一覧表でドンと結論をまとめると。
債券 | 株式 | |
---|---|---|
①取引の仕組み | 証券会社と直接 | 取引所 |
②取引しやすさ | 低い | 高い |
③価格を決める人 | 証券会社か発行体 | 取引所 |
④経営に口出す権利 | ない | ある |
⑤利子・配当金の額 | 決まってる | 利益次第 |
⑥利子を決める人 | 発行体 | 発行体と株主の合意 |
⑦投資額損失リスク | あり | あり |
⑧倒産した時 | 少しは戻るかも | 絶望的 |
で、1つずつ説明すると。。
債券と株式の違い①:取引の仕組み
株式の仕組みを図で整理します。
債券は、この図の下の部分の…
「取引所」が登場しない
「証券会社」が「投資家A」「投資家B」と…
直接、別々に取引
どっちも証券会社と取引するんだから、投資家から見れば同じじゃ??
違うのが…
- 取引のしやすさ=「流動性」の高さ
- 「価格」の決まり方
これらを次で解説します。
債券と株式の違い②:取引のしやすさ
「流動性」という言葉は、聞きなれないかも。
要するに…
「売買したい時にできるか」
代表例を挙げると…
- 本は「流動性」が高い
- 土地や建物は「流動性」が低い
- 限定生産の高級スーパーカーは「流動性」が超低い
「流動性」は、債券よりも株式の方が高い。
なぜなら、債券は、このどちらかじゃないと買えない…
- 発行体が売り出さないと買えない
- 証券会社が売ってくれないと買えない
株式ならば、取引所で買える
ただし、株式も、新規上場する株式(IPOといいます)は…
抽選に当選しないと買えない
債券と株式の違い③:「価格」の決まり方
トヨタの株をその時の株価で買いたいとする。
取引所が開いている平日の日中なら買える。
株式の価格は取引所が決めている。
取引所が決める価格(=時価)であれば…
100%確実に買える
でも、債券は…
このどちらかのタイミングじゃないと買えない。
どちらかによって、価格を決める人が変わる。
・国や企業が新たに発行する時
→価格を決めるのは「発行体」
・証券会社が、自分のものを売ってる時
→価格を決めるのは「証券会社」
国債は定期的に発行されてるけど、社債は不定期。
債券と株式の違い④:会社経営に口出しする権利
これは、決定的に違う。
国債を買っても政治に意見できない。。
もちろん、社債を買って、その会社が潰れそうな場合も同じです。
債券は…
経営に意見する権利は、全くない
株式は保有株数に応じた「議決権」が与えられる。
債券と株式の違い⑤:利子の決まり方と受け取り方
債券の「利子」にあたるものが、株式の「配当金」。
どちらも保有していることで、定期的にもらえるお金。
で、これらの違いとは…
債券の「利子」は、あらかじめこの2つが決まってる。
- 「金額」
- 「払うタイミング」
発行する会社が倒産しない限りは…
100%確実に受け取れる
金額が上下することもない
株式の「配当金」は、企業の利益によって変わる。
「受け取れるタイミング」は、年1回、2回というのは決まってる。
でも…
業績が悪いと受け取れない
業績が悪いと金額が下がる
債券と株式の違い⑥:投資金の返済=「償還」と期限
そもそも株式は、借金じゃないので、「返済」という概念はないんだけど。
債券の発行体が、投資家に、当初借りたお金を全額返すことを…
「債券の償還」
と呼びます。
株式には「償還」はない。
自分で売却タイミングを見極める必要がある。
あるいは、保有し続けて、子孫に相続する。
債券と株式の違い⑦:どっちも「リスク」は有限
基本的に、債券も株も同じ。
投資金額を全て損する可能性は…
どちらもある
ただし…
株も債券も「有限責任」
100万円投資したら…
損失の上限は100万円
債券と株式の違い⑧:発行会社が倒産したら?
債券は、発行体が、「経営破綻」「債務不履行」に陥っても…
少しは戻ってくる可能性がある
その企業に、返せるお金が残っていれば。。
倒産して法的に整理される過程で、借金返済に回される。
実際に、日本企業も、JALをはじめ債務不履行となった会社も。
株式は、倒産したら、基本的に…
価値はゼロになる
ということなので、株式も債券も、これが重要に…
出資する相手を見極めること
では、以上とります。
債券に興味を持たれた方は、実際に、投資してみるとより理解が深まるはず。。
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