投資に興味があるので投資信託とはなにか勉強したい。
でも金融の知識は全くないので、わかりやすく教えて。
では、大手証券会社で、17年間の勤務経験があるわたしが。
投資信託とはなにか、をわかりやすく解説します!
ただし、儲け方とか投資手法に関するはなしではありません。
仕組みの話しをします。
純粋に勉強したい人向け!
この記事を読めば、これらが理解できます。
- 投資信託の特徴と仕組みが理解できる!
- 株式・債券との違いが理解できる!
- 証券の主要3商品の理解が深まる!
【関連記事】株式と債券を先に勉強したい方は、こちらの記事からどうぞ!
投資信託とはなにか【特徴と仕組みをわかりやすく解説】
投資信託をわかりやすく一言でいうと
- 株式や債券への「分散投資」を勝手にやってくれる商品
- 個人が「少額」で「分散投資」できる商品
では、投資信託とは…
- 「誰が」
- 「なにを」
- 「どうやって」
- 「なにを得る」
のか!
「誰が」:
運用会社=運用の専門家が
「なにを」:
多くの投資家から集めたお金を
「どうやって」:
株式や債券に幅広く「分散投資」して
「なにを得る」:
株の配当金、債券の利子、売却益などの「リターン」を得る
このリターンが…
投資信託の「分配金」
株式の配当金や、債券の利子にあたるもの。
投資信託を保有することで、定期的に受け取れるお金。
「分散投資」は、投資信託の最大の特徴。
これを個人がやるのは…
面倒だしコストがかかる。
そのあたりを2章で解説します。
その前に投資信託の仕組みを簡単に。
投資信託の仕組みとは【3人の登場人物】
その仕組みを解説するとこんな図に。。
なんとなく理解できればOK!
①投資家:投資信託を購入する人
💸の動き:購入代金を払う、分配金を得る
②販売会社:投資信託を販売する会社
💸の動き:投資家と運用会社の橋渡し、手数料を得る
例)野村證券、SBI証券、みずほ銀行
③運用会社:投資信託を運用する会社
💸の動き:集めたお金を運用して増やす、分配金を出す
例)野村アセットマネジメント
実は4人目の登場人物がいるんですが。。
「信託銀行」。
実際にお金を預かって運用するのは、実はこの人。
でも「運用会社」の指示に従うだけなので、意識する必要なし。
投資信託の最大の特徴「分散投資」の2つの目的とは
分散投資で「分散」してるのは「お金」。
分散投資の目的は、この2つ。
- 目的①:お金を失うリスクを回避すること
- 目的②:リスクに応じたリターンを自分で設定すること
分散投資の目的①:お金を失うリスクを回避
お金がある人ほど、資産運用の大きな目的は…
増やすことより失わないことになる
全ての財産を1つの銀行に預金する。
お金持ちはこんなことは絶対にしない。
なぜなら、その銀行が破綻したら…
全財産を失うから
正確には、ペイオフという制度で、1,000万円だけ保障されるけど…
なので、円預金だけでなく、他に資産を分散させる。
- 外貨預金
- 国債
- 国内株式
- 外国株式
どれかの価値がゼロになっても、被害は限定的。
逆に、どれかの価値がゼロになると…
どれかの価値は上がる関係になってる
株式の価値が下がれば、債券の価値は上がる。
分散投資により…
自分の資産が全て失われるのを防げる
分散投資の目的②:リスクとリターンを自分で決める
お金がない人でも「ある程度」…
リスクとリターンを決めれるが投資信託
全財産10億円を日本国債で運用すると。
リスクは少ないけど、年間0.05%、50万円のリターン。
リターンが小さい
高配当の株式1銘柄で運用すると。
年間5%、5,000万円のリターン。
大きなリターンが得られる
でもその会社が倒産したら・・・
最悪全財産を失う
そこで…
- 8億円を国債
- 2億円を株式
に分散すると。
得られるリターンは…
- 国債:年間40万円
- 株式:年間1,000万円
- トータル:年間1,040万円
約1%のリターンを得ることに
リスクがぐっと下がる一方で、リターンが減る。
「分散投資」は、このパーセンテージを…
自分で決めれる
多くの国、企業、通貨に分散させるほど…
- ・細かくパーセンテージが設定できる
- ・全財産を失うリスクが減る
でも、お金が少ない個人には無理。
商品によっては…
最低購入価格が、数百万円
多くの商品を買うと…
手数料が割高
なので、そんな個人が、投資信託を選ぶ。
自分のリスクとリターンに見合う商品を探す。
投資信託と株式・債券の違いとは【価格、分配金など…】
投資信託と株式・債券の比較表から…
なんですが、これらを解説してきますので、まずざっと目を通して下さい!
投資信託 | 株式 | 債券 | |
---|---|---|---|
「価格」の呼び方 | 基準価格 | 株価 | 債券価格 |
「価格」を決める人 | 運用会社 | 取引所 | 証券会社 |
「価格」を決める時 | 1日1回 | 時々刻々 | 証券会社の自由 |
値段指定の注文 | できない | できる | できない |
リターンの呼び方 | 分配金 | 配当金 | 利子 |
リターンを決める人 | 運用会社 | 発行企業と株主 | 発行企業 |
リターンの頻度 | 毎月 or 年1、2回 | 年1、2回 | 年1、2回 |
議決権 | なし | あり | なし |
投資金の償還 | あり/なし (商品による) | なし | あり |
償還金額 | 決まってない | ー | 決まってる |
投資金を失うリスク | あり | あり | あり |
リスクの限度 | 有限 | 有限 | 有限 |
投資信託の価格はどうやって決まるのか
まず、ややこしいことに…
価格の「呼び方」が違う!
- 投資信託:「基準価額」
- 株式:「株価」
- 債券:「債券価格」
株式・債券とは「価格」を…
- 「決める人」
- 「決めるタイミング」
が違う。
- 投資信託:「運用会社」が「1日に1回」決める
- 株式:「取引所」が「取引時間中に刻々と」決める
- 債券:販売する「証券会社」が「自由に」決める
大きく注意する点は。
投資信託は、株式と違い…
値段を指定した注文はできない
株式は「指値注文」という値段を指定した注文ができる。
もちろん、売買が成立するとは限らないけど…
投資信託は「口数」つまり…
売買する数量のみを指定
株式でいう「株数」。
さらに、前日の価格を参考にして、注文を出す。
当日、いくらで買えるかは、分からない。
価格指定できないのは、債券も同じ。
証券会社の指定した価格で、買うか買わないか決めるだけ。
投資信託の分配金はどう決まり、いつ払われるか
定期的に得られるリターンの呼び方が違う…
- 投資信託:分配金
- 株式:配当金
- 債券:利子
そして、「金額」を誰が決めるか…
- 投資信託:「運用会社」が決める
- 株式:「発行企業」と「株主」が決める
- 債券:「発行企業」が発行時に決める
株式と違うのは…
- 投信を買っても株主の権利はない(債券と同じ)
- 分配金に文句は言えない
運用成績が悪いと…
分配金が出ない場合もある
債券は、発行体が債務不履行におちいらない限り…
利子は支払われる
まあ、株式も少数株主の意見は弱いから…
基本的に配当金に文句言えないけど
次に「いつ」もらえるか…
- 投資信託:「毎月」「半年に1回」「年1回」と商品により異なる
- 株式・債券:年1回か2回
大きな違いは、分配金…
毎月出る商品がある
「毎月分配型」と呼ばれる投信。
株式と債券にこれはない。
投資信託の保有者に株式の議決権はない
株式に分散投資する投資信託の保有者に…
株式の議決権はない
当然、株式の保有者は…
株主総会で議決権を持つ
ある投資信託が、トヨタ株に投資。
この投資信託を保有する投資家に、トヨタの株主権利はあるか。
ありません
これは債券も同じ。
では、運用会社の運用方針に口出しする権利は…
これもない
あらかじめ、投資方針に合意して投資信託を購入しているから。
逆にいうと、運用会社は、方針の範囲でしか運用できない。
- 「株式には投資しない」
- 「年2%リターンを目標」
などの方針を決めるので、これを守る。
投資信託の投資金の返済・償還があるか
運用を終了する日を「償還日」という。
「償還日」があるかないかの違いが…
- 投資信託:ある場合とない場合がある
- 株式:ない
- 債券:ある
償還日には、残った資金を投資家に返済する。
投資信託は「償還日」のあり/なしが商品によって違う。
債券にも「償還日」がある。
個人向け国債なら5年後とか。
ただ、償還金の金額には、違いが…
投資信託:金額が決まってない
債券:金額が決まってる
投資信託の償還金は…
運用資産の残金で変わる
投資元本を失うリスクの違い
これは全商品同じ。
投資金額全額を失うリスクがある
ただし、全商品同じく…
「有限責任」
100万円投資したら、100万円以上失うことはない。
まとめ:投資信託の仕組みと分散投資の目的、債券・株式との違い
では、最後は、まとめとなります
投資信託とは…
- 株式や債券への「分散投資」を勝手にやってくれる商品
- 個人が「少額」で「分散投資」できる商品
分散投資の目的とは…
- 目的①:お金を失うリスクを回避すること
- 目的②:リスクに応じたリターンを自分で設定すること
<投資信託と株式・債券の比較表>
投資信託 | 株式 | 債券 | |
---|---|---|---|
「価格」の呼び方 | 基準価格 | 株価 | 債券価格 |
「価格」を決める人 | 運用会社 | 取引所 | 証券会社 |
「価格」を決める時 | 1日1回 | 時々刻々 | 証券会社の自由 |
値段指定の注文 | できない | できる | できない |
リターンの呼び方 | 分配金 | 配当金 | 利子 |
リターンを決める人 | 運用会社 | 発行企業と株主 | 発行企業 |
リターンの頻度 | 毎月 or 年1、2回 | 年1、2回 | 年1、2回 |
議決権 | なし | あり | なし |
投資金の償還 | あり/なし (商品による) | なし | あり |
償還金額 | 決まってない | ー | 決まってる |
投資金を失うリスク | あり | あり | あり |
リスクの限度 | 有限 | 有限 | 有限 |
では、以上となります。
投資信託に興味を持たれたあなたは、
実際に、投資をしてみると…
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【就職へのSTEP②】証券会社の将来性に期待
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- 証券会社の将来性と可能性を理解
- 証券会社に就職するメリットとデメリット
【就職へのSTEP③】金融商品の基礎知識をつける
- 株式の基礎知識をつける
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- 「証券外務員一種」の攻略法を理解
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